HDE Controller Professional Edition
-- 現在、HDE Controllerをお使いいただいてのご感想はいかがですか?
二つの意味で、役場の環境に非常に向いた製品だと思います。二つの意味のうち、まず一つめは、“個人のスキルに頼ることなく設定品質を維持できること”、もう一つは“DNSやメールサーバーの設定が確実にできて、LGWANやインターネットの方針変更があっても柔軟に設定できること”です。
-- “個人のスキルに依存しない”というのは、具体的にはどういうことですか?
これは運用例で説明することにします。芳賀町では学校関係のサーバーもLinuxですが、現在はメールアカウントの新設・削除などの定型作業は教育委員会の担当に委譲し、HDE Controllerのインターフェースを使用して行っています。私は直接関わっていません。
-- 教育委員会の担当者というと、WindowsはともかくUNIX系のスキルは決して高くないと思います。その方が、Linuxサーバーの設定をやっているわけですか・・・。
これはHDE Controllerの操作方法がいかに使いやすいものであるかを物語っていると思います。HDE Controllerが無かったら、telnet接続して、いちいちコマンドラインをキーボード入力しなければなりません。これは、いくら定型作業であっても一般職員には無理だと思います。
-- なるほど。
また、芳賀町では定期異動があります。その際、メールアカウント設定変更などの定型作業が簡単に引き継げることや、オペレーションミスが生じにくいことはとても重要です。「前の担当のAさんはLinuxに詳しいので細かく設定できた。でも今度の担当のBさんは機械に弱いので、操作ミスがしばしば・・・」ということでは困ります。HDE Controllerがあればそういう問題は解決できます。
| LGWANに特化したLinux管理ツールという製品コンセプトへの評価 |
-- 続いて「LGWANの設定が簡単」ということについて具体的に聞きたいのですが・・・。
HDE Controller LG Editionですが、まず、“LGWANに特化したLinuxサーバー管理製品を発売する”という、そのセンスが最高ですね。どこの自治体でも、LGWANで一番頭が痛いのはLGWAN振り分けサーバーの設定ですから。
-- 設定はどんな風に大変なのですか?
総務省の仕様では、LGWANに接続するサーバーは、DNS振り分け、IPルーティング、ドメインごとのメール転送、メールヘッダの書き換え等など、さまざまな指定をしなければなりません。しかし、実際にbindやSendmailを手作業で正確に設定するというのは、正直言って、現実的ではありません。
-- では、そういう作業を外部委託するなり、LGWAN設定があらかじめ整ったアプライアンスを購入するなりするというのはどうでしょうか?
それも一つの選択肢ですが、いかんせん調達も維持も値段が高い・・・。これは頭が痛いところです。
-- うーむ・・・。
また、LGWANを手作業で設定した場合、別の問題も発生します。
-- と言いますと?
手作業を入れると、どうしてもオペレーションミスの可能性が出てきます。その設定を、維持・変更していくことも困難です。ミスとは、設定し過ぎもあり得ます。
-- なるほど。
そして、HDE Controller LG Editionというのは、その名の通りLGWANに特化した製品として、そうした問題を解決してくれます。必要な機能を必要な部分だけ確実に設定できるのはとても重要です。できなければ、設定のみを委託するという選択肢も生まれます。
-- 小島様がHDE Controllerのことを初めて知ったのはいつ頃ですか?
6〜7年前の展示会のブースで見かけて以来です。
-- 6〜7年前といえば、HDEは創業間もない時期ですし、そもそもLinux自体まだ日本でほとんど広まっていない頃だと思います。なぜまたその時期に、HDEおよびLinuxに関心をお持ちだったのでしょうか?
実は、私は芳賀町の前は、民間のSI企業(以下A社)に勤めていました。だから展示会などは毎年出かけて、ブースは隅から隅まで回って、市場動向を調査していました。HDEについては、ブースで少し話をしたのですが、製品の方向性や会社のコンセプトがなかなか良いと思いました。
| 慣れた人ほど間違えやすい・・・OSごとのコマンド方言の違い |
あの頃は、A社の栃木支店でUNIXをどういう枠組みで扱っていくか、模索中の時期でした。Linuxも今ほどに有名ではなく、顧客提案をUNIXやFreeBSDにしようかLinuxにしようか迷っていました。しかし、HDE Controllerとの出会いにより、Linuxで行くことに決まりました。UNIXやFreeBSDではなくLinuxを選んだこと。それはHDE Controllerがあったからと言っても過言ではありません。
-- 誠にありがたいお言葉です。その選択の中で、HDE Controllerはどのような位置づけにあったのでしょうか?
私にとってのHDE Controllerは、単なる管理ツールではなく、“Linuxのディストリビューションの差異を吸収する、統合インターフェース”という位置づけです。HDE Controllerがなかったら、Linuxは怖くて使えません。
-- どういう点が怖いのでしょうか?
オペレーションミスによるトラブルが最も怖い点です。Linuxに限らず、UNIXの世界では「方言」が著しく違います。いちばん怖い例ですと、同じく“format”と入力しても、あるOSでは、ディスクの情報表示を意味するが、別のOSでは、ディスクの初期化を意味します。これではUNIXに詳しい人でも間違えかねません。いや、実は慣れている人ほどよく間違えます。
-- 何だか車の運転みたいですね。免許取りたての頃は恐る恐る走っているので事故も起こさないが、中途半端に運転慣れしてきた頃がかえって危ないという・・・。
確かにそれと似た部分がありますね。formatの話は極端な例ですが、とにかくLinuxは自由度が高い反面、落とし穴もいっぱいです。自宅で趣味のサーバーを立てるのなら、コマンドラインの奥義を究めるのも良いでしょうが、企業や団体でのサーバー管理においては、“安全・確実”の品質維持が重要であり、やはりHDE Controllerのようなツールを活用するのが賢明です。
-- なるほど。
| 管理ツールがあることで、Linux選択の自由度が広がる・・・ |
そして、HDE Controllerのようなツールを組み込んでおけば、Linuxディストリビューションの覇権の行方を気にしなくて良くなります。
-- と言いますと?
芳賀町では、最初Turbolinuxを使っていました。当時としてはベストの選択だったと思いますが、Turbolinuxが今後も永遠に最高のLinuxディストリビューションであり続ける保証はありません。この先、もっと良いディストリビューションが出てくるかもしれない。良いディストリビューションが出てきたなら、自由にそちらを採用したい・・・。
-- しかしながら、うかつにディストリビューションを乗り換えると、formatコマンドのような“方言”のせいでオペレーションミスが発生する可能性があると・・・。
そういうことです。しかしユーザーとコマンドラインの間にHDE Controllerを噛ませておけば、そこで差異が吸収されるわけです。HDE Controllerの操作方法を習熟することは、いわば車の操作方法を知るようなもの。いったん車に乗れるようになれば、どんな車でも運転できるようになるのと同様、ユーザーはHDE Controllerの操作方法さえ知っていれば、どんなLinuxディストリビューションでも安全に使いこなせるわけです。
| 数ある管理ツールの中でHDE Controllerが選ばれた理由 |
-- 今までのお話で“GUIベースのLinux管理ツール”の重要性はわかりました。それでは、数ある管理ツールの中からHDE Controllerが特に選ばれた理由というのは何なのでしょうか?
ズバリ、機能で選びました。当時はHDE Controllerに似たコンセプトの製品も多くありましたが、中にはDNSの設定もまともにできず、困った仕様の物もありました。一方、HDEはDNSもWebプロキシも確実に設定できるなど、インターネット用サーバーの基本機能がきちんと押さえられていました。
-- その比較はカタログベースで行ったのですか? それとも・・・
実際に製品を買い込んで、実地で検証しました。カタログデータだけでの選定ではありません。
-- 芳賀町では、情報システムは自前で運用しているのですか?
はい、そうです。芳賀町では、“情報システムについては自前主義”というのが昔からの方針です。丸投げしてしまうと、システムにブラックボックスが発生してしまい、委託先の“言いなり”にならざるをえず、結局はコスト高を招きます。また、丸投げでは内部の職員に設定や調達ノウハウが蓄積されません。例えば、町でも内部ネットワークではWindowsサーバーを使っています。調達時のWindowsサーバーとLinuxサーバーの使い分けは重要な問題です。
-- 現状は、HDE Controllerはどのようにお使いですか?
インターネット関係やウイルス対策関係のサーバー用にHDE Controller Professional Editionが5本、LGWAN振り分けサーバー用に、HDE Controller LG Editionが1本。その他メールサーバー用にHDE Controller ISP Edition 1本を使っています。
-- ISP Editionは一般にはプロバイダーで使われる製品なので、役場で使われているとは少々、意外です。どのようにお使いなのでしょうか?
芳賀町の小中学校6校はそれぞれ独自ドメインを持っています。例えば高橋小学校には、http://www.takahashi-e.haga.ed.jp/、芳賀中学校にはhttp://www.haga-j.haga.ed.jp/という独自ドメインがあります。これら6校のドメインと役場ドメインを足した計7ドメインを、1サーバーで管理しています。となるとバーチャルドメイン運用が可能なISP Editionが役に立ってくれるわけです。
-- なるほど。
計7ドメインと言っても、役場と学校ですからトラフィックは大して多くないわけです。特に、学校ドメインなどは夜はほとんど動きません。この前提を考えると、全部まとめてサーバー1台で運用した方がコスト安です。
-- 確かに。
しかし、設定が面倒だと、ついドメインごとにサーバーを分けたくなります。しかし、HDE Controllerを使えば1サーバーで複数のドメインを無理なく運用できるわけです。
HDE Controllerを使えば、設定がカンタンにできるから良いと今まで述べてきました。しかし管理者にとっては、簡単だから一概に良いとも言えません。
-- と言いますと?
普段は標準の設定だけで良いが、時には細かく設定しなければならないこともあります。その時に“カンタン・ツール”のせいで、やりたい事に制限が課されるのも考え物です。
-- そんな時はやはりコマンドライン設定でしょうか?
しかし、それはやはりオペレーションミスの温床になりますし、また異動の多い公務員環境では、業務の継続性の点で問題があります。
-- 二律背反ですね・・・。
しかしながらHDE Controllerは、簡単で使い易いが、しかし必要な設定は過不足なく行えており、その辺りのバランスが非常によく取れている印象があります。このバランスは今後の新バージョンでも崩して欲しくないですね。
-- 承りました。本日は貴重なお話をありがとうございました。
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